お正月の思い出　オオワダブログ｜茨城県桜川市の墓石なら「有限会社大和田商会」へ

🎍 お正月に思い出す、やさしい記憶

子どものころのお正月は、今よりもずっと静かで、
時間がゆっくり流れていたように思います。

元日の朝、まだ外が冷たい時間に起きると、
台所から煮物の匂いが漂ってきました。
ストーブの前で手を温めながら、
こたつに入って、家族がそろうのを待つ——
それだけで、心がほっとしたものです。

お年玉をもらうことよりも、
私にとってうれしかったのは、
おばあちゃんの隣に座って過ごす時間でした。

「寒くないかい」
そう言いながら、何も言わずに肩に羽織ものをかけてくれる。
その手のぬくもりが、とても安心できました。

大人になった今、
お正月を迎えるたびに、あの頃の風景がふとよみがえります。
何気ない言葉や、当たり前だったやさしさは、
後になって、どれほど大切なものだったのかに気づかされます。

特別なことは何もなかったけれど、
家族と同じ時間を過ごし、
同じ空気を感じていた、あの穏やかなお正月。

その記憶は、
今も心の中で静かに生き続け、
人を思いやる気持ちの原点になっているのだと思います。